【1】逆流性食道炎
逆流性食道炎は、胃酸の分泌量が多くなることが大きな原因です。近年欧米型の食生活が浸透し、魚よりも肉の摂取量が増えたため、消化のため胃酸がより多く必要となることが背景として上がります。
また、加齢などにより食道下部の括約筋が緩んだり、背骨が曲がって腹圧が上がることで逆流が起こりやすくなることもあります。
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胃内視鏡検査でわかる病気について
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逆流性食道炎は、胃酸の分泌量が多くなることが大きな原因です。近年欧米型の食生活が浸透し、魚よりも肉の摂取量が増えたため、消化のため胃酸がより多く必要となることが背景として上がります。
また、加齢などにより食道下部の括約筋が緩んだり、背骨が曲がって腹圧が上がることで逆流が起こりやすくなることもあります。
胃酸が胃から食道へと逆流し、食道に炎症が生じる疾患を逆流性食道炎と言います。激しい胸やけが特徴で、酷い場合には呼吸が困難になることもあります。呑酸(酸っぱい感じ)といって、胃酸が口まで昇ってくると、口の中が酸っぱく感じられ、げっぷの回数も増えます。稀に食道がんの原因にもなることが示唆されています。
検査・治療について
逆流性食道炎は多くの場合、問診で診断できますが、より詳しくは胃内視鏡検査(胃カメラ)で調べます。治療には主に胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)を処方し症状の改善を図ります。
胃の表層を覆う粘液の中に、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)が住み着き、感染することで生じる胃炎をピロリ菌感染胃炎と呼んでいます。ピロリ菌に感染すると、胃炎だけでなく、胃潰瘍や胃がんの原因となります(Uemura N et al. Helicobacter pylori Infection and the Development of Gastric Cancer. NEJM. 2001; 345:784-789.)。
感染経路は完全に解明されたわけではありませんが、衛生環境が影響していると言われます。日本では60歳以上の8割が感染していると言われています。又、感染して数十年が経過した時の胃がん発症率は、3~5%程度とも言われます。いま現在の若い方では衛生環境も整っており感染率は低下していると見られますが十分に注意しましょう。
ピロリ菌感染の検査は簡便な尿素呼気試験(血液や尿中の抗体検査)と、胃内視鏡検査(胃カメラ)によって胃の粘膜を採取する方法、検便などの方法があります。除菌(ピロリ菌除菌)が主たる治療法となり、胃酸の分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬:PPI)と2種類の抗生物質を組み合わせた、多剤併用療法により除菌を行います。除菌の成功率は一般的に8割程度と言われています。
胃潰瘍の原因は、主にピロリ菌感染、非ステロイド性消炎鎮痛薬などの薬剤、食生活の乱れ・過度の飲酒・喫煙・精神的なストレス(自律神経の乱れ)などが上がります。
一般的に胃壁がただれ、胃の粘膜が傷ついた状態を胃潰瘍と言います。症状としては、上腹部やみぞおちの周辺にうずくような痛みを感じます。痛みは、食後、胃の内容物が排出される頃に強まる場合と、空腹時に感じる場合とがあります。
主に胃内視鏡検査(胃カメラ)で診断されます。ピロリ菌を調べるには、尿素呼気試験法、胃の粘膜を採取しての培養法や免疫染色法などで対応できます。 治療では、胃酸の分泌を抑える薬は内服薬として使用します(PPI:プロトン・ポンプ・インヒビターやH2ブロッカーなど)。胃潰瘍による出血がある場合は、胃カメラ(胃内視鏡)を用いてクリップ止血術、、レーザー焼灼などによって処置します。
胃の内壁は粘膜から始まり、胃全体を覆う漿膜(しょうまく)に至る、五層構造となっています。一番内側の粘膜の細胞が、がん細胞化し、増殖を繰り返すと、胃がんと診断されます。胃がんの場合、漿膜から更に外側の組織を侵食し、広がってゆきます。これを浸潤と言い、胃がんの一つの特徴とされています。
胃がんにはいくつかのリスク要因がありますが、最も重要なのは、ヘリコバクター・ピロリ菌による感染の影響です。ピロリ菌は、除菌により、胃がんに至るリスクをかなり減らせるようになりました。胃がんに特異的な症状というのはなく、早期胃がんでは症状のことも少なくありません。胃痛、胸やけ、吐き気、食欲不振など、胃炎や胃潰瘍などにも共通の症状で検査すると見つかることもあります。少しでも違和感があれば、胃内視鏡検査(胃カメラ)を推奨いたします。不安に思うこと、気になることがございましたら、ご相談ください。
主に胃内視鏡検査(胃カメラ)で診断されます。胃がん治療では、内視鏡治療、外科的治療、化学療法などがあり、進行度により最適な治療法が選択されます。定期的な検査を心掛け、早期発見に努めて下さい。
なぜ40歳や50歳になったら胃がん検診を受ける必要があるのでしょうか?
中高年以降では、急激に胃がんに罹る方が多いですが、そうした年代の方でも胃がん検診の受診率は4割にも達していません。
痛みや不快感など、具体的な症状が出ない限り、検査を受ける必要がないと思っている方が多い現状です。胃がんの場合、一般的に早期がんでは、本人が自覚症状を感じることはほとんどありません。自覚症状がないときに発見することが肝心なのです。
・50歳を過ぎた頃から、胃がんの罹患者数は増えてくる傾向があります。
・一方で、胃がん検診の受診率は、40%以下と低迷しています。